◆第34回「子のワクチン接種について思うこと」

北米でマルチリンガルの子育て、仕事、海外生活と日々奮闘中の筆者が感じた日本と海外の違いや気づきを綴るコラム。

第34回は「子のワクチン接種について思うこと」の話です。

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時差が冬時間になり、グッと寒くなった。街並みもイルミネーションも真冬の到来。

 

ハロウィンも無事終わって、あれから1ヵ月以上たったのにもかかわらず、大量にもらったキャンディーはまだ残っている。子もそろそろ飽きてきたように思えるので、そっと処分しようかなと思っているこの頃(怒られるかな 笑)。

 

今回はものすごく個人的な思いの話をしたいと思う。ちょっとデリケートな内容だし、賛否両論はあると思うのだけど、別に議論をしたいのではなくて、いち子を持つ親として、ちょっと悩んでいるよという話。それは新型コロナワクチンのこと。

 

最近カナダでは、5歳から11歳の子どものワクチン接種にGOサインが出た。これまでは日本と同様に、高齢者の方からワクチンの接種が始まり、徐々に年齢が下がって、最終的には12歳以上の子どもも接種可能となった。

 

今年冬までには、それ以下の年齢の子どもも対象になるだろうと言われていたのだが、ついにその日がやってきた。

 

私は自分自身や身内に関しては、ワクチンは受けたらいいんじゃないかな?と思う派で、重病になったり、死を不安がるなら受けちゃったほうがいいと思っている。今回のコロナ下では、私と私の家族である周りの大人は早々に接種した。

 

しかし、こと小さな子どもとなるとその考えに少し迷いがでる。

 

ワクチン接種はなにも特別なことではなく、例えばこれまで幼児に推薦されてきた予防接種は、ひととおり受けてきている。水疱瘡、おたふく、日本脳炎、その他もろもろ。そして冬恒例のインフルエンザも。症状による重症化を避けたくて、受けさせてきた。

 

でもこれらのワクチンは、なんというか新しいものではないので、これまで何年も、なんなら私が子どもの頃から多くの人々が接種してきたもの。だから安心感というか、大丈夫であろうという気持ちもあった。そして実際に、子どもに副作用が出たこともなかったので、ワクチンを受けさせる不安、のようなものはみじんも感じていなかったのだ。

 

そこにきて今回の新型コロナワクチンである。

 

ものすごい速さでワクチンが開発されて、適応力が高い大人から徐々に段階を踏んで、データを蓄積して今に至ってはいるけど、でもデータを取り始めてからはわずか数年。政府やニュースで、どんなに「安全。大丈夫」と言われても、データって十分に取れてるの?子の成長や大人になってからの影響は無問題?とうっすらと考えがよぎってしまう。

 

わたしは元来心配性だし、石橋を叩いてたたきまくっても納得しなければ渡らないタイプでもあるので(苦笑)、余計そういうことを考えるのだと思うけれども、どうしたものか。

 

わたしの近しい人たちは、「これで子も安心だねえ!」と超楽観的に喜んでいるので、その温度感になんともモジモジした気持ちになっているのである。

 

これが決まったのは、まだつい最近のことだから、実際いつ接種のときが来るのかは今のところは分からない。地域や学校によっても対応が変わってくるだろうし、プロセスのスピードも違うと思う。それまでに、自分はいち親としてどうしたいのかを考えておきたいなと思っている。

 

こういう考えをするようになって気づいたことは、親になって、ほかの誰よりも大切に想う存在はわが子であり、子を想う気持ちは自分を想うよりもずっとずっと大きいのだなということ。

 

そんな存在がいつも近くにいるなんて、なんて幸せなんだ…!と喜びを噛みしめたりもするのである。

 

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SASAKI 

海外移住をした編集者・ライター。取材・インタビュー記事が得意。英仏話者。人々の生き方や働き方、子育て、教育に興味あり。現地企業では新たな挑戦としてマーケティング・カウンセラーも経験し、いつか海外と日本の架け橋となるようなサポートもしてみたいと考えている。