北米でマルチリンガルの子育て、仕事、海外生活と日々奮闘中の筆者が感じた日本と海外の違いや気づきを綴るコラム。
第43回は「夏のロードトリップ」の話です。
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日本もやっと少しづつ涼しくなってきたと便りが届く。地球上どこもかしこも温暖化で、年々夏の季節が厳しくなっているけれども、やっぱり北米と日本の夏の暑さは比べ物にならない...と感じる。
十数年前には、私の実家の部屋にはエアコンが必要なくて、夏は扇風機だけで事足りていた。なのに、ここ5、6年ほどだろうか、もうエアコンなしでは過ごすことができなくなってしまっている。そんな日本の夏に毎年帰っている私。これまでは数か月単位で過ごしていたけれども、今後は少しづつ夏滞在の期間を減らして、別の季節に日本へ行きたいな...と考え始めている。
さて今年の夏。私は、できるだけいろいろな場所を訪れて、会いたかった人たちにリアルで会いたいという気持ちがあった。コロナが落ち着いてそう思う人も多いかもしれないけども、なんというか私にとってはそれが理由ではなく、こもっていた気持ちや場所から出ていくような気分で「今はそうしなければ!」的な強い思いがあって実行したかったのだ。
そして子の夏休みに合わせて、ロードトリップに出かけた。一週間ほどで行きたい地域をいくつか周る車での旅。走行距離はわりとあって、立ち寄らないで通り過ぎる県も入れると8県。立ち寄ったのは6県だった。数えてみると意外に多い。
これまで15か国ほどを旅してきたくらいなので、私は本当に旅が好きだ。でも、海外に住むようになって、帰省が私の旅になってしまった。これまでも日本の家族や親戚との旅行はあったが、「純粋に、自分が行ってみたい土地に行く」という旅行、そして自分の家族だけでの子連れ旅行は初めてだった。
一人であれば大人ペースでサクサクっと周れるところが、子といるとそうはいかない。そして夜のお出かけも、子が「ホテルでゆっくりしたい...疲れた」となってしまうので、NGだと今回学んだ。
(ふらっとお酒を飲みに、地元のレストランや居酒屋に行きたかった...無念!)
子連れ旅の時間配分は通常の2倍はみておかないといけなく、行動範囲も半分くらいになると痛感。ほかにも、子が飽きないための遊び道具や飲食をこれでもか!と車に積んでいかなければならない。何時間も歩くのは難しいだろうなと思っていたので、車移動をメインにしたのだけど、これは正解だった。でも一回くらいは鉄道なんかに乗りたかったかな、ナドナド...課題はいろいろ。
想像していたよりも疲れた旅だったけれども、それでも気になっていた地域を訪れ、会いたかった人に会えたので満足ではあった。
旅が終わり、子に感想を聞くと、観光した数々の名所は「まあOK...」の反応で、一番楽しかったのはホテル!という、なかなかに拍子抜けの返事だった。確かに大人が行きたいところに子どもが楽しめるアクティビティを追加して、という感じだったので仕方がないのかもしれないけれども...ねえ。
子どもに思いっきり喜んでもらえる旅ってどんなのだろう?と考えてしまったものだ。来年も地方をめぐる旅の計画をしたいけれど、どうしたものだろうかと二の足を踏んでしまう、そんな夏のおもいでである。
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SASAKI
海外移住をした編集者・ライター。取材・インタビュー記事が得意。英仏話者。人々の生き方や働き方、子育て、教育に興味あり。現地企業では新たな挑戦としてマーケティング・カウンセラーも経験し、いつか海外と日本の架け橋となるようなサポートもしてみたいと考えている。